2017年01月26日

寒梅忌



今日は「寒梅忌」。
藤沢周平さんが亡くなって20年。
静かに周平さんを偲んで周平作品を読むか、同好の士と語らうか。

周平さんは昭和35年から業界紙に身を置いていたそうで、私が東京に勤務していて銀座や深川、浅草のあたりをウロウロしていた昭和39年ごろ、周平さんもあの辺を仕事場にしていたらしい。
ひょっとしたら電車や地下鉄、道で行き会っているかもと、あらぬ空想に浸っている。

その作品はいまだに多くの読者に愛されている。
作家然と気取らず、サラリーマンの暮らしを生活の基本とする、いわゆる普通の暮らしを大切にした。
それはそのまま作品の主人公に当てはまる。

周平作品の良さの誰もが認めるところは、自然の描写が素晴らしさ。
さらにその自然の風景に当てる太陽や月の光の濃淡。
我々が10歳前後の幼い時期に外で遊んでいたころの風景がここにある。
その懐かしい風景に出会いたくて周平作品を読むのだろう。
その光はいわゆる「海坂もの」にも江戸の下町ものにもある。

雑誌などで周平さん大好きの有名人の座談会で、私の好きな作品は・・。というコーナーがよく設けられている。
いままで自分としてはそんなことは考えたことがなかったのだけれど、これを機に自分なりのベスト3を挙げてみる。
「雪明かり」「海鳴り」「山桜」
いや「冤罪」も上げたい。いやいや「風の果て」も「三屋清左衛門残日録」もミステリー小説にもある。
おっと、「秘太刀馬の骨」も外せない。なかなかベスト3では迷ってしまう。
上に挙げた多くの作品で大和なでしこが物語の主人公を支える。これがたまらない。
「山桜」の最後のところで野江の振る舞いに、いつ読んでもウルウルっとくる。

一般的には「海坂もの」と江戸下町ものと歴史上の人物を描いた歴史小説とに大別することが多いが、ミステリーと恋愛ものという分け方もあるように思う。

周平さんが亡くなって20年。かわいくてたまらなかった当時二歳のお孫さんは先日発売の「周平のこころ」の題字を揮毫して表紙を飾っている。